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ACM Siggraph 2001
written by Hirofumi Inomata
Siggraph2001レポート(2001年8月11日)
皆様、日々レポートです。
- (渡米)
- JALが整備遅延で、計4時間30分遅れの出発で、ロサンジェルスへの
到着は、5時間30分遅れ、現地時間の15:30ごろとなりました。そのおかげで、成田
では、夕食用にと、1500円分の食事クーポンがもらえましたが、
現地について、知人と待ち合わせもしていたので、休む暇もなく、
会場まで、配布物を取りに行きました。前回は、ビデオテープが
入ってなかったので、今回は、現品チェックをちゃんとしました。
- (コンベンションセンタ)
- 一昨年と比べて、風景が少々変わって、大きなドーム上の建物が、
コンベンションセンタの横に出来てました。確か、一昨年は、
建物を壊していたような記憶があります。
しかし、毎年、配布物は、プロシーディング冊子をはじめ、重たいも
のばかり、もう少し軽い素材にならないかしら。
あと、恒例の来年のピンバッチももらってきました。
- (滞在ホテル)
- 今回、泊まっているホテルは、リトル東京のNew Otaniで、12階の
シングルです。
- (海外携帯電話)
- また、持っていった携帯電話が、なかなか電話がかけられるようにな
らなかった。原因は、番号の最後に#ボタンを押すのが分からなかっ
たため、マニュアルを何回か読み直してやっと気が付きました。
自宅の留守録へかけて確認。結局、相手が、電話をかけてくるときは、
どこの国(多分、スイス以外)からも、国際電話扱いで、かけるときは、
+41+国番号+電話番号+#だったのです。
- (出会った人)
- 本日は、A氏+OLM御一行(今回、スケッチで発表)、
Y氏と会えました。あと、奈良先端科学技術大学の
博士課程の学生、元富士通の人に会いました。
今日は、こんなところでした。
Siggraph2001レポート(2001年8月12日)
皆様、日々レポートです。
- (シャトルバス)
- 朝の8時ごろからコンベンションセンタ行きのシャトルバスを
待っていたら、満席で、1台通り過ぎて、次に来たのは、
30分後、ちょっとショック。
- (時差ぼけ)
- やはり、日本が夜の時間帯は、非常に眠くなります。寝てしまうと、
時差ぼけが直らないので、我慢がまん。
- (シーグラフ・コース)
- 日曜日から週前半は、幾つかのコースが行われます。今日は、下記の
3件を受講しました。
- Media-Rich Programming With Open-ML(午前)
どうもこれは、sgiのデジタルメディアライブラリをオープンプラッ
トフォーム化を目指しているもので、Open-GLとは、併用する感じみ
たいです。クロスプラットフォーム前提で、IRIX, Linix, Windows, MacOS
を想定しています。終了の時に、CD-ROMをもらいました。
- "Shrek": The Story Behind the Screen(午後)
3次元CGアニメーション映画で、昨日、米国で上映が終わったらしい
です。アントを制作したPDIが手がけたもので、見た目以上に、
なかなか色々な技術のつまった作品です。昨年、この講義の一部が
既に、発表されていいたので、てっきり今年は、ビデオでかえるの
かと思ってました。
- Interactive Ray-Tracing (ちょっとだけ聞いた)
題名に引かれて、少々、聞きましたが、芸術作品ようではなく、
MNRの画像表現ようで、反射は考えず、影の落ち込みまでを計算する
ようでしたが、性能測定に使用した環境は、32CPUのマシンで、
手軽とは言えないようです。
- (出会い)
- ジブリの方と、元トリロジーの方に会いました。
今日は、こんなところでした。
Siggraph2001レポート(2001年8月13日)
皆様、日々レポートです。
- (シーグラフ・コース)
- Augmented-Reality: The Interface Everywhere(ちょっとだけ)
30分しか聞いていないのだが、ちょうどデモ映像を流してた時で、
実写とCGをリアルタイム合成(ただし、6フレーム毎秒程度)して、
懐中電灯でCGのオブジェクトを照らすと、実写に影が落ちたり、
透明な容器のCGでは、光りの透過の痕跡が再現されたり、鏡面の場合は、
反射光もリアルタイムで再現される。以前よりは、大分、進んだ感じ。
自動トラッキングも、アクセラレーションアルゴリズムで、手で激しく
揺らした程度では、問題ない感じでした。今後、面白くなってくる
分野(人間のクローンの次に怪しい分野?)だと思ってます。
- State of the Art in Monte Carlo Ray Tracing for
Realistic Image Synthesis(ほんのちょっとだけ)
これもちょっとだけ聞いたのですが、レイトレーシングで使う光線の
サンプルをランダムに取るということで、ちょうど曲面座標系での一様
乱数の生成のための幾何学の説明をしてました。
- Nonphotoralistic Rendering in Scentific Visualization(全日)
大体、聞いたのですが、科学で利用するイラスト画を、実写映像から
生成出来なかとか、物理学的なベクトル場やテンソル場を視覚的に、
分かり易く表現する方法を、芸術の手法にヒント得て行うというアプローチ。
動機として、実験によって、実写画像の人間の認識速度よりも、線描画の
認識速度が速い場合があることが認められ、その効果を利用するように
医療画像を表現することで、病気の発見の役に立てるということ。
例として、ゴッホの木の書き方をヒントに、確か筋肉繊維の断片のMNR画像
データを画像処理して、健康かどうか確認ができる表示方法を実現したとか、
また、カツーン表現も、科学の世界では、本質を効率良く伝えるための必要
な表現方法であり、計算機や実写のデータの変換方法(対象が医療なだけに
計算の仕方が細かかった)も探求すべきものと考えられているようです。
発表者は、MNR画像から、医学書によく描かれる解剖図イラストを自動生
成したようなことを言ってましたが、現在は、まだ、生のMNR画像をエッ
ジ強調などで見やすくする程度もものらしい。
今回のサーベイを聞くと、昨年のアート向けのNonphotoralistic Renderingの
時の説明もあったので、続編と考えて良さそう。また、大半の時間は、
ゴッホやらモネやらの作品紹介でした。また、お昼をはさんで、自由参加の
実験と称して、円柱の周りにできるカルマン渦の図を元に、絵の具のペイン
ティングで、自分成りの表現を書いてみるというコマもありました。
なかなか面白いです。
- (展示)
- Art Gallery: N-Space
例年のうように得体の知れないオブジェやら、イラストやらが並んで
ました。その中に、ギロチン体験装置があり、異様さをかもし出していた。
- Emerging Technologies
緊急報告の技術展示のコーナーだが、ここも怪しげものが色々展示されて
いました。その中、MITで開発されている仮想ウルフの実演が目についた、
墨絵風にシルエット描画が行われていたが、面のシェーディングが、墨絵に
近いけど今ひとつという感じ。時たま、遠吠えするので、その音が響く。
東大の出展も多かった。
- (出会った人)
- 同じホテルに滞在のT氏(元日立関係)にあった。
- (観光)
- 滞在中のホテルがリトルトウキョウにあるので、うろうろと散歩しました。
全体的には、浅草風で、お土産店も浅草風、買って帰っても、米国のお土産とは
言いがたいが、一画には、アダルトビデオ一色のお店が集まっているのが、
なんとも気になります。
今日は、こんなところでした。
猪股
Siggraph2001レポート(2001年8月14日)
皆様、日々レポートです。
- (シーグラフ・コース)
-
(1) Advanced RenderMan 3 (全日、今日はこれだけ)
(a) 概要
新バージョン3.10の特徴の説明?で、モニター機能が充実して、各種メモリ
使用量やメモリフォールトの回数など、細かいデータの取得が可能となった
とか。
(b) 技術紹介
・BMRTに続き、Entropyなるレンダラーも呼び出せるようになったとか
・マルチレイヤーの質感表現の実現(肌の質感の表現を目指していて、肌の
表面の半透明膜が影響するフレネル反射などのシミュレーションまでやる
とか)
(c) 実例紹介
- ILM
エピソード1(キャラクタの群集のレンダリングでのレンダリング処理量
の削減方法など)、パールハーバ(爆弾投下のシーンの紹介)
- スクエア
ムービーザファイナルファンタジー(アキの髪の毛がレンダリング時間の
40%かかるとか、そのため色々な方法で、処理量削減を行った。特に、
影の計算は、キャラクターには行わず、サーフェスシェーダのレベルで、
ごまかしたとか?)
- ソニーピクチャイメージワークス
日本では「透明人間」での映像で、内蔵や骨が透明になっていく部分で、
対象が海面構造へ移行して消滅する。このときに空洞になった部分のと
空洞では内部分の判定を工夫して、処理時間を改善したとか。
# それにしても、最新版のRenderManが欲しいが、約$7000では、手が出ない(^^;。
- (展示)今日は、半分だけ廻りました。
- RenderMan in Real Time
NVIDIAブースで、スタンフォード大学の出展で、RenderMan相当のリアルタイム
レンダリングを実演していました。但し、パソコンを7台程、黒い箱につなげて
動かしてました。
- Java 3D コーナ
何やら、Java 3Dで、リアルタイムのレーシングゲームを実演してました。
ということは、マルチプラットフォームなのかしら?
- ILM
今年は、Tシャツを売ってましたので、2着ゲット。
- セルアニメ制作ソフトウェア
今日は、3件の展示を見つけました。あと、セルシスの展示は無いようです。
- AniMaster 4.0 (DEMO CDをもらいました)
- Toon Boom
- PEGS 3.2(レタスみたいなものみたいです)
- その他
- OpenMLのチラシが色々なブースで配られていましたので、広まるのも
早いかな。
- OpenSGと称して「オープン・シーン・グラフ」なるものもあった。OpenInventerのオープン化かしら?
- 後、5眼のビデオカメラで、真下以外で、天頂を含めたパノラマ画像が撮れるカメラモジュールの展示を見つけました。これ欲しいかも。
- (買物)
- リトルトウキョウで、英語への吹き替えのビデオ「CCさくら」を発見
- 英語に翻訳された和書「まんがの書き方」を発見
- あと、
日本のキャラクターグッツを扱うショップも発見。でも、店頭の商品は、
日本で販売されているまんまなので、お土産にはならない。
英語版になったものを、販売してくれていると、うれしかった。
今日は、こんなところでした。
Siggraph2001レポート(2001年8月15日)
皆様、日々レポートです。
- (キーノート)
- 最後の10分しか来てないですが、CGの科学分野での利用が、重要
とかいってたような感じです。
- (シーグラフ・ペイパー)
- Natural Amimation
2件の論文発表を聞きました。
- Visual Simulation of Smoke
煙の擬似リアルタイムシミュレーション(ナビエストークス方程式
を特定の条件下で近似式化して、リアルタイムで計算可能とした。
今回の目玉は、200MHzのグラフィックアクセラレータ無のパームで、
実演してみせた。なんとも面白い。
詳細が分かれば、検証してみたい(真似ともいうけど)
- Practical Animation of Liquid
リキッドの三次元シミュレーション(ゲル状の液体の三次元的
シミュレーションで、映画Sreckの泥でのシャワーシーンで利用
されたアルゴリズム。しぶきの飛び散りまで再現できる。これも、
ナビエストークス方程式を、特定条件下での近似式を利用している。
- (シーグラフ・パネル)
- Video Game Play and Design: Procedual Direction
30分だけ聞きましたが、その時は、イライザからはじめて、ロール
プレイングゲームの歴史的な紹介や動向をしてました。他のパネラー
からは、シミュレーションゲームについては、どう思うのかとか聞か
れてました。
- (シーグラフ・スケッチ)
- Merging 2D and 3D Production Methods
- ディズニー
アニメ「ムーラン」などで利用した群集シミュレータち、アニ
メ「ターザン」で利用した三次元モデルの背景の紹介。しかし、なんとも、CGやセルや背景の間の色の不自然さがないですね。すごいです。
- ILM
スターウォーズ・エピソード1で利用した3次元モデルの背景など紹介
- OLM(鹿住氏、他)
今年のポケモン映画「セネビーの...」を素材に、日本のアニメ
プロダクションの仕事の仕方を紹介すると共に、3次元CGの使用例
と、映画のデモリールを紹介した。発表が終わると、鹿住氏のところに、
数人から、サインをねだられていた。質問の受け担当は、安生氏(元日立)
でした。
- Curves and Morphing
- 東大の西田研の学生で、2次元形状間のモルフィングのアルゴリズム
の提案と評価を発表。最初の形と最後の形のそれぞれの階層構造の
抽出方法にみそが有り、三角形分割後に、それぞぞれの三角形間の
階層構造を生成し、対応付けを行うもの。
- (アニメーション・シアター)3時間も見ていたが、終わらなかった。以下は、
目についたもの。
-
- 東映アニメのゾイドのデモリールが上映(特にCGで制作したゾイドの映像)
- 後、目に付いたのは、セルアニメーションぽくないそのまんまツーンシェーダ
のCGアニメーション作品(日本人は違和感はあっても、海外の人には、関係
ないのかも)
- デジタルドメインが、鉄砲水に飲まれる家の映像を出していた。知っている
人は知っている「大三峡」の鉄砲水(没)も、ちゃんとした知識のある人が
いれば、出来たという言ですね。まあ、世の中、そんなものですね。
- (展示)
- アニメ制作ソフトウェア
- ケンブリッジアニメーションシステム(出展取りやめらしい)
- FLIPBOOK(ペイント、ズーム、回転)
- 絵コンテ作成用で、GHOST RIGHTERというのがあるらしい。
- ツーンシェーダ内蔵の3Dソフトとして、messiah, AnimetionMaster
- Shockwave 3D
- ディレクタ8.5からサポート、幾つかの他社の3Dソフトも対応するらしい
- Web3Dコンソーシアム
- コンソーシアムがあるらしい。ハードメーカ以外のメンバーは知らないところ
ばかり。でも、VRMLから発してどういう関係になっているのでしょうか?
- (シーグラフ東京リイセプション)
- メンバー以外も参加できるということで、というかメンバーなので、
参加しました。東大の西田先生他、アイデンティファイのM氏、
OLMのO氏、K氏他、元エリアスウェーブフロントの方(男性)、Y氏などに会いました。
食べ物は、一瞬にな
くなりました。
- (その他)
- しかし、ロサンジェルスのダウンタウンは、ホテル間を、タクシー
で移動するしかないので、お金はかかるは、不便だ。やはり、ボナ
ベンチャーなど、ダウンタウン中心のホテルに泊まるべきだった(と
れれば)。まあ、来年以降、ロサンジェルスは、当分ないとのことで、
来年(2001年7月21日〜26日)は、サンアントニオ(テキサス州)で、再来年は、サンディエゴ
だそうです。
今日は、こんなところでした。
Siggraph2001レポート(2001年8月16日)
皆様、日々レポートです。
- (パネル)
- Non-Linear Animation for Production
新しいキーワードなので、はじめだけ聞きました。3次元
アニメーションシーケンスの切り張り、再利用などを行う環境
のことを言うらしいです。ビデオのノンリニア編集に対応する
と思います。この意味では、各社の3次元CGツールでは、
搭載されているものも多くなってます。
- Designing, Understanding, and Operating
Comprex Human-Machine System
題名の意味が分からなかったのちょっとだけ聞きましたが、
マンマシンインタフェースの容易さに関しての議論で、原子炉や
パイプラインの制御などのインタフェースの誤操作防止などの
施策からはじまって、インタフェースの理解しやすさ(仮に、
容易性)が重要で、エイリアス・ウェーブフロントの
ビル氏(見識あり、チーフサイエンティスト)は、機能の数に
反比例するなどのビルの法則を披露していました。
- (スケッチ)
- Deformable Object
同じホテルに泊まっていたドクタ学生から彼の発表を紹介され、聴講した。
粘土のリアルタイム変形の発表で、仮想空間で、データグローブに連動
した指のCGモデルで、粘土をいじると、それに応じてCGの粘土が
変形するというもの。基本はOKだが、古い大学のアニキスで評価している
ため、リアルタイムで動くものの、今ひとつ、データの規模的なインパクト
が薄かった。
- Future FX
- 「グリンチのクリスマス」のメーキング
サンタがそりで、山を転がり落ちているシーンで、動きのオーバさを
付けるために、頂点グループを幾つか設定して、それ毎にキーフレーム
を付与しているなど。
あと、群集シーンで利用するキャラクターの作成ツールの実演映像の
紹介もあった。
- 「Shreck」のメーキング
ゲル状の土泥がぼたぼた落ちるシーンで、土泥の動きは、当初、考えた
以上に難しく、最終的には、3次元の流体シミュレーションを適用した。
- 「ジェラシックパーク3」のメーキング
恐竜の筋肉や骨のシミュレーションをしっかりやって、恐竜の動きに
伴う皮膚表面の動きを表現している。
- Production Overview
ヨーロッパのプロダクションがメーキングを紹介してました。余り、
目新しさは無かったので、途中で抜けました。
- (アニメーションシアター)目についたもの
- 体が垂直に半分となって、断片は内臓が見えている人間が、
右往左往動くドラマじたての映像(気持ち悪い)
- (エレクロニックシアター)目についたもの
- 全体的に、パールハーバなど、ILMの作品が多かった。内容的
には、えぐいものが多く、子供には見せられないでしょう。昨年みた
いに、劇的にすごい映像は無かった。
- Shreckデモリール
技術的には、最先端であるにもかかわらず、ごく普通の映像なのです。
- デズニー&Pixarが、毛むくじゃらのモンスターろ小さな女の子の
ほのぼの映像を出していた。技術的には、長めの毛皮の表現にあると
思われる。
- 余り印象のある映像がないので、帰国後、DVDで見てみます(^^;。
- (ペーパーリセプション)
- 今年は、ダウンタウンから抜け出して、ユニバーサルスタジオの
一画で、パーティーです。エレクトロニックシアター後に行ったので、
残り時間は1時間30分でしたが、ハリウッドのユニバーサルスタジオ
は、今回、はじめてなので、良かった。とりあえず、夕飯相当を済ませて、
自分用にお土産のポーチを買いました。なんとも、シーグラフ中は、
全てシャトルバスで移動が済むのでなんとも便利です。
- (その他)
- そうそう、昨日、某ホテル(シーグラフ東京のリセプションがあった)
の焼肉屋に、プロレスラーのイノキが入っていくのを、知人と眺めて
ました。あと、タレントもうろうろしているとかいう噂も。
- 展示は、今日で最後なのですが、昨年に続いて、カーミット人形を
ゲットしそこないました。残念。
- シーグラフの明日1日で終了になってしましました。余り、休暇になっ
てないけど、年々、短く感じてきましたね。なんとも、なごりおしい。
今日は、こんなところでした。
Siggraph2001レポート(2001年8月17日)
皆様、日々レポートです。
- (パネル)
- Game-Stories: Simulation, Narrative, Addition
最初だけ聞きました。例えば、アクションゲームの場合、シナリオは、
スタートとゴールのあるゲーム背景マップへと一意に結びつけられる。
同様に、シナリオは、ゲーム上のアイテムへと対応付けられるとか。
また、別の人は、ゲームの特徴は、「コンテンスト」、「パズル」、
「ミステリー」の性質の加重平均として分析できるとか。
- (スケッチ)
- Model Capture
- ボクセルタイプの3次元スキャン方式でのキャリブレーションを
不要にするアルゴリズムとか。それにしても、ボクセルタイプという
のもあるのかと、感動したが、実用的には、いくつのボクセルを計算
する必要があるのかと疑問。100の3乗では、少ないようなでも、
1000の3乗は、計算量が途方もないような気もする。
- Tour Into the Pictureと同じく絵画に描かれる建築物から、3次元モデル
を生成するやつ。基本的には、x又はy又はzの値が同じ点を関係付けて、
三次元座標を求める。あとは、プリミティブとして、平面、円筒、球などが
用意されている。AdobeのPhotoshopのプラグインにもあったような気もした。
- Stylization in Animatied Films
- ピクサ「アンツ」の雨のシーンで、雨粒が地面に落ちて、クラウン状に
水が跳ねる映像のメーキング。これは、分子間力のポテンシャル関数を
利用したとか。
- 題名不明だが、セルアニメ作品で、川の濁流に白い馬が流される映像で、
川の流れと岩にぶつかる水しぶきが、偉くリアル。川のベースの流れは、
渦の発生しない条件のシミュレーションを使ったとか。
- ディズニー「アトランティス」の制作でのプレビューで、ワイヤーフレーム
表示を工夫したとか。Zバッファーからの輪郭抽出では、線の太さが、
まちまちなり、チェックする人たちから文句が出ていた。対策として、
Zバッファーの解像度を、画像解像度より高くして、それから輪郭抽出
したものベースに、1ピクセルの太さの線で、再構築するというもの。
ただし、これには、ノイズも多いので、スムージングを行う必要もあるとか。
これは、ツーンシェーダの輪郭線を作るときにも使えるかもしれない。
- (スペシャルセッション)
- "2001 in 2001"
2001年になってみての映画「2001年宇宙の旅」とか題して、議論が行われて
ました。パネラーの1人は、私には、不充分な映像表現だが、当時としては、
良かったとかなどの発言があった。ほとんどトークだけのセッションだったので、
あまり聞き取れてない。
- (出会った人)
- コンベンションセンターからの帰り際に、元エイリアスウェーブフロントの方(女性)に会いました。
- (その他)
- 今回は、やたら日本人が目に付きました。何ででしょうかね。今回、
ロスで、距離的には、東海岸より近いけど、金銭的には、
「お盆の西海岸 >= お盆以外の東海岸」どちらでもいい感じですがね。
ホテル代も、安いかも。
今日は、こんなところでしたとともに、今日が最終日。明日8/18は、朝7時に
ホテルをチェックアウトして、帰国予定。JAL(65便)がストでもすれば、
遅れるけど、まず無いか。あと、帰国後、ホームページに日々レポートを
まとめて載せる予定です。
Siggraph2001レポート(2001年8月18日)
皆様、日々レポートです。帰国、道すがら。
ロサンジェルス国際空港で、物色。何か新しいキャラクターグッツはないかと、
ディズニー系ショップ、WBショップ、DVDショップへ行ってみました。
昨年、パワーパフガールズを見つけた感じのものはなかった。Shrekグッツでも
と思ったけどなかったので、WBでハーリ・ポータ(国内では秋公開映画)のグッツを買ってきました。
日本でもかえるのかも知れないですが、地味なグッツです。
会計報告
項番 |
項目 |
ドル建 |
円建 |
1 |
Siggraphフルカンファレンス登録料 |
605.00 |
75,625 |
2 |
往復航空券(成田・ロス) |
-.-- |
229,380 |
3 |
ホテル代(7泊8日+ローカル電話代+その他) |
1,225.74 |
153,218 |
4 |
小計 |
458,223 |
5 |
その他(食費+小遣) |
600.00 |
75,000 |
6 |
合計 |
518,223 |
注)1ドル=125円
今年は、お金を使い過ぎましたね。合計で、30万円代が手ごろですね。
あとがき
- 感想
- 今年には、映像業界で必要としているフォトクォリティ表現のほとんどを、CGでまかなえ
るようになってきて、特に、つい最近まで不可能とも思われていた流体の表現においては、
一昨年にカルマン渦のリアルタイムでの擬似的表現から
始まって、今年は、Shrekに見られるように、ほぼこなれて来た状況に至っています。
この状況において、映像業界において、CG技術での差別化は、難しくなってきて
いるのではないかと思う訳で、本来あるべき、内容で勝負という時代に遷移してくるも
のと感じています。とはいっても、SFXがなくなるのはなく、どのプロダクションも、
当たり前に使うということで、監督や作者の視聴者へのメッセージを表現するための
単なる1手段として利用されるということです。
一方、科学分野でのビジュアライゼイションへのCG技術の適用が進むとの予測もありますが、
やはり、ビジネスとして成り立つかどうかが重要で、CG技術の開発もかなりな額となるので、
当面、お金になる科学分野(バイオ、医療、軍事など)への適用が進むのではないかと思います。
- 次回
- 2001年7月21日〜26日、サンアントニオ(テキサス州)
頑張って、来年も休暇が取れるように仕事をこなしましょう!
- その他
- 今年夏から、大林組?が、コンテンツ制作事業へ乗り出すとか。特に、大企業は、
国内需要だけでは、厳しいビジネスをしいられると思います。バブルが弾けて、本業
以外の部分が、独り立ちさせられているという見方もあるかも知れないですが。
写真
ゲットしたもの
- Siggraph 2001 Electronic Theater DVD
- Siggraph 2001 T-Shirts
- Siggraph 2001 Pen
- ILM T-Shirts
- DVD, "Disney's The Book of Pooh"(米国リージョンコード)
これは、3次元CGのぬいぐるみを演技させている新作、だから
見えない糸はないです。
- VHS, "カードキャプターさくら"(英語台詞ではなく字幕だった)
- "まんがの書き方"(英語版)
- Items, "ハーリー・ポータ"(国内秋公開映画キャラ)
(C) 2001. Hirofumi Inomata